● 副院長のひとり言 第9回「うつ病ネットワーク会議に出席して」
春の嵐が吹き荒れる今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか? 特にうつ病などで自律神経症状がある方は、つらい季節のようで、多くの方がこの時期悪化されますが、この嵐が去れば毎年多くの方が回復されますのでもう少しの辛抱です。
さて、先日告知したとおり、2月に南勢志摩県民局で、うつ病ネットワーク会議が開催され、諸関係者が出席されました。予想通り、僕から見るとビックネームの、有識者の皆様が数多く出席され活発な議論がなされました。
残念ながら予想通り、保健所の職員、役場の職員さんは皆僕のことを知っている方たちでしたが、それ以外の方はお互い面識のない方たちばかりで、もっと僕もアピールしていかないといけないのかなと思いました。でもこういった活動で徐々に知っていって頂ければいいと思います。
私事はさておきまして、各方面の方が様々な現状、今後の進むべき方向性などを提案しておりましたが、僕自身として発言しましたのは、大紀町(活動は旧大宮での話が殆ど)、宮川村(新大台町)で僕自身が行っている講演会や、相談会、早期発見の活動などを提案させていただき、高齢者こそは自殺が多く、なおかつ認知症と絡めて早期発見しやすく、その後の経過もやる気があれば追いやすいということを、強調しました。併せて、当院で感じることは他の医療機関(特に病院の内科)との連携が難しいという点であることもお話しました。
病院、診療所、各科の境界を越えての連携、一般市民への啓発活動、早期発見のためのスクリーニングなどを同時に進めていかないと、ネットワークだけ作っても難しいのではないかと考えます。実際、それらをいっせいに行った宮川村ではここ3年間自殺者は少なくとも高齢者では出ていないということも聞いています。やはりこういったやり方が1番効果が出るということではないでしょうか。
しかしながら、逆に保健所管轄レベルで、或は医師会レベルではなかなかこういったことは出来ないのかもしれません。ですので、僕の本心としましては、こういった大きな規模での動きには時間がかかるのが常なので、まずは、各市町村の行政が中心となって、自分たちのできることを試行錯誤しながらでもやっていく、そういう中で、大きなネットワークがその途中で加わり、更に確かなものになっていくといった考えで動いていってちょうどいいのではないかと思います。
もちろん行政だけでも無理なので、なるべく多くの人(一般市町村民はもちろん、民生委員、社協、医療機関など)が賛同して盛り立てていければより早く健全な地域社会を作れると思います。
2006年3月20日
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