● 副院長のひとり言 第8回「遠くからの患者様」
宮原医院副院長の宮原です。今日は外来患者さんのお話をしようと思います。今年は暖冬といわれつつ、ふたを開けてみたらとても寒い冬となりましたね。当院でもインフルエンザの患者さんがちらほらと見受けられる様になって来ました。
それでも、今年に入ってからも当院当科の患者さんはよく来てくださいます。それにしても最近は遠くの患者さんも目立つようになって来ました。以前HPで、大紀町の患者さんは約半数しかいないことはご紹介しましたが、今年に入ってから初診の患者さんは、全部で9人。こんな田舎で心療内科だけをしている医師にとっては、考えられないペースです(実質外来の日として営業した日は4日で、です)。その数もさることながら、先週は特に遠くの人が多く、御浜町(熊野市の南です)や、鈴鹿の方までおみえになりました。では、その人たちはなぜそれほどまでに当院に来院されるのでしょう。ご本人(或は連れてきたご家族)に聞いてみました。
最も多いのは、ほかでよくしてもらえず、ここの評判を聞いたからというものでした。それはそれで大変喜ばしいことなのですが、その反面、今までの経過をあまり把握しないで治療しなければならず、以前の主治医より正しい医療行為ができるのか正直不安です。また、悪くなっても遠くに患者さんが住んでいるがゆえに対処が遅れてしまい、転医したことを後悔する結果となる危険性もはらんでいます。もちろんそんなことは承知の上で連れてくるご家族が多いのですが、こちらとしましては、慎重に事を構えなければならないことを肝に銘じて日々診療させていただいています。
ぼくは共和病院の河野先生にいろいろ学ばせていただいております。それゆえに三重県の中では独特な処方、カッコをつけて言わせてもらえば、三重の中では僕しかしない処方というのがいくつかあります。もはやそういった治療を試みるしかなかったり、患者さんやその家族がその治療法まで熟知していて、ぜひその治療法から始めて欲しいというようなケースに関しましては積極的にかかわりを持ちます。
とは言いましても、その辺の正しい情報を来院された方には与え、最終的には患者さんやその家族さんに今後どこで治療を受けるか、必要ならどの時点で当院に転医するかを決めてもらっています。
今後当院での治療を考えている方がもしいらっしゃったらそういったことも含めご検討ください。全ての人が他院で治せず、当院ではよくなるとは限らないのですから。
2006年1月16日
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