● 副院長のひとり言 第2回「当院当科のご紹介」
僕は2年前に週1回半日から当院当科外来を始め、その日数、勤務時間を徐々に増やしていき、
今年の5月より本格的にフルタイム勤務しました。それ以降、約半年で総来院患者さんが約100人増えるといった、じわじわとしたペースで、伸びてきております。
痴呆を中心とした、老年精神疾患を見ることを主目的にして開いたのですが、尾鷲から松阪まで精神科、心療内科といったものが存在しないため、若い方も何名か来て頂いております。しかしながら、過疎化の進むこの地域の特性上、また、僕自身、老年心療に力を注いでいるとアピールしていることもあってか、お年寄りが圧倒的に多いです。大内山から大台町まで往診にも応じ、それらの地域の特養老人ホームにも出かけたりしております。そういったところはスタッフの数も限られており、いちいち病院に連れて行く人手もあまりかけられず、また、患者さん自体疲れなくてすむので、メリットが大きいと思い、行かせて頂いております。これからも外来があまりに患者さんが多くならない限りは続けさせていただこうと思います。
来院患者さんの住んでいる地域も様々です。平成16年10月1ヶ月間で僕が診た患者さんの住所地を調べてみますと、多い順に宮川村(28%)、紀勢町(24%)、大宮町(19%)、大台町、紀伊長島町(8%)、大内山村、熊野市、尾鷲市がそれぞれ3%、その他(津市、新宮市、松阪市、度会町など)といった感じです。遠い方は、「わざわざ遠方より見えたのだから」と、つい時間をかけてお話してしまいがちなのですが、当院は予約制ですので、なかなかそうもいきません。午後からは現時点では比較的空いてますので、長い時間かけてじっくり聞いて欲しい、或いは聞きたいことがある方は、午後からがお勧めです。更に土曜日も午前中だけ診療しておりますが、患者さんが混む傾向が強いです。時間はあまりかけられないのであらかじめご了承ください。
更に、当院では痴呆を診るといっておきながら、まだ頭部CTを撮る設備がありません。申し訳ないのですが、初診で物忘れを主訴に見えた方にはほとんどの場合CTを撮ってますが、それは、近くの中核病院に直接当院から予約していっていただいております。その病院が土曜日は休みなので、痴呆を主訴に土曜日に来院されますと、CT抜きの診断で治療を開始するか、後日CTを撮りにいっていただくかという事になり、特に遠方から見えた方には2度手間となりますので平日をお勧めします。
更に、なるべくじっくりと話を聞く、痴呆の診断を詳しくしようとすると、体のことを見る時間があまりないことに開業してみて気づきました。肝心の心療内科的疾患の治療がないがしろになっては元も子もないので、身体疾患に関しては僕のほうではなるべく手をつけないほうが賢明と判断しました。ですので身体疾患に関しましては、ほかに内科などのかかりつけ医を作り、そちらで診てもらってください。
以上、紹介というよりお願いという部分が多かったように思いますが、簡単に当院当科の紹介をさせていただきました。
2004年12月3日
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