●第42回「第34回日本老年精神神経医学会に参加して」

東海地方も梅雨入りしましたね。僕は4月の人間ドックで、ついに人生初のメタボを指摘され、それ以降、雨でも降っていない限りは毎日一時間以上運動をしております。と、いいましても、たいていは散歩をしているだけです。そんなわけで、夜な夜な歩く習慣がついたのですが、松阪に住んで15年目にして初めて、自宅付近で蛍が見れることを発見しました。特に雨が降った翌日の夜の散歩では、5月の最終週から6月の一週にかけて20時頃に散歩しておりますと、用水路にそそぐ小川にぽつぽつと淡い光が幻想的に現れ始め、夜半までその宴は続きます。ここへ住んで、15年目にして初めて知った現象なのか、はたまた僕らが住みだしたころには、そもそもそのような現象はなく、近年僕らの土地の水がきれいになってきたために蛍たちが戻り始めただけなのかは定かではありませんが、とにかく楽しんで散歩させてもらっております今日この頃です（体重減少という結果はなかなか伴わないですが）。
そんなことはさておきまして、今年も老年精神医学会へ行ってきました。以前にもひとり言のコーナーでお話しした通り、今年は、AIに着目して参加してきましたが、大会初日にAIがらみの発表がありましたので集中して聞いて来ました。結論から言いますと、それこそ介護力を補うためにパーソンセンタードケアをしてくれるロボット開発の近況報告のようなことを勝手にかなり期待していったのですが、実際にはそのような発表はなく、他の分野におけるAIがらみの発表もまだ完全に実用化するまでには至っていない、というのが現状のようです。ただ、この分野に国が本腰を上げていることもこれまた事実で、近いうちに大きな成果を上げるであろうことも予測できる発表でした。特にケアプランを作成する支援にAIの機能を用いた研究が興味深く、すぐにでも全国的に広がりそうな勢いでその開発が進んでいることがうかがい知れる発表がありました。なんでも、ケアマネさんの50％以上の人が自分のペアプランに自信がないというデータが出ており、それを補うためにAIで支援するというもので、特に�@ケアマネさんの「知らない」ことを無くすこと、�A利用者さん及びその家族に、そのケアプランを説明するときにその内容を充実させること、この2点の問題はかなり解決できるものがすぐにでも普及しそうです。もし、この報告を、上記のような不安を常に持ってケアプランを作成しているケアマネさんがご覧になっていたら、ぜひこの分野にアンテナを張っておき、実用化されればすぐにその情報をキャッチできるようにしておくことをお勧めします。あとの分野におきまして、AIの活躍はまだまだ先のように思われました。また、大きな進展がありましたら、ご報告したいと思います。

それでは今回はこの辺で。

2019年6月11日