宮原医院 心療内科
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宮原医院 心療内科所在地

〒519-2704
三重県度会郡大紀町
阿曽2270

電話:0598-86-3555
Fax:0598-86-3505

休診日
水曜・木曜・日曜・祝日・土曜午後

診察時間
9:00-12:00/14:00-17:00
※1 土曜は9:00-12:00
※2 午前11時からの1時間と午後2時からの1時間は、初診の方専用の診療時間とさせて頂いております

お知らせ

●第41回「カジノ型デイサービス見学」

今月10月の初旬には、カジノ型デイサービスを行っていると評判の施設見学へ行ってきました。これまたいつものことながら、多職種協働研修などで、「最近ではカジノ型デイというのがあるらしい」とか「仮想通貨を使って勤労やリハビリの糧にすると、それに励みやすくなるらしい。大紀町は小さな町なので、それを逆手にとって、地域全体で実際に使えるクーポンのようにすれば、より本物の通貨に近くなり、より利用者が頑張ろうと思うのではないか」などと好き放題発現し、更に「今年1月に村上〇さんMCの××宮殿という番組で、近隣県のデイサービスセンターが取り上げられましたのでそこでしたら近いし、ご興味がある方がいたら見てきたらいいのに」と紹介しました。すると、その話に興味を示した人が何人か出てきました。ただ、「興味あります、行ってみたいな!」という人がいても、実際見てきた人が出てこなければ、この地域に、より正確にフィードバックしてくれる人が今後出てこなくなります。誰か暇な奴が音頭をとって仕切ってくれればいいのに、と周囲を見渡してみますと、なんと僕が一番暇そうではないですか!しょうがないなということで、希望する人を募って、行くことにしました。人選は、こういった話をした後、一番最初に興味を示してくれた二人と、多職種などでネタがないときのために、今まであの場(多職種研修のことです)で発表したことのない人だけども、頼まれれば発表してくれそうな人を一人と僕、のはずが、結局直前に一部情報が洩れ、さらに二人増え、総勢6人でのちょっとした小旅行になりました。皆さんそれぞれの施設の管理責任者か、それに準ずる責務をお持ちのそれぞれの職場では偉いさん方です。企画前には想像していたのは、お気楽に記帳して、ネームプレートでも貰って、回っていいエリアが決まっていてそこをウロウロ見学し、話を聞ける人が一人くらいついてくれていて、好きな時に帰れる、そんな形で見るのが見学会なのだろうという、あたかもモデルルームを見て回るような形を想像してましたが、今回は全く違いました。まず、有料です。10000円を超える見学会の参加料で、申込時にまずびっくりしました。そして、10時半から15時半までスケジュールがビッチリ決まっている見学会でもありました。「こんな大変なの皆さん行くのかな、少々高いし」と参加予定者に再度出席の確認をしましたが、皆は僕が引くほど行く気満々です。僕が言い出した話ではありましたが、最後は皆に気圧されるような感じで見に行く雰囲気になってしまいました。その感想は‥‥。

まず、ハードの充実ぶりに驚きました。ネットとかで見ていたので知っていました、知っていましたが、本当にありました、デイにプールが、温泉が、トレーニングジムが、麻雀ルームが、レッドコード教室が、パチンコルームが、習字教室が、陶芸教室が、パン焼き教室が!あまりしゃべってしまいますと、同席した方が後日皆さんにご紹介する際に、そのネタがなくなってしまうのも困りますので省きますが、要は、仮想通貨をうまく利用し、通貨を稼ぐ、使う、貯める喜びを生きる活力に(言い換えれば喜びに)うまく置き換えれるかどうかがまず成功のカギを握りそうです。そのためには、仮想通貨は実際のお金ではないのでお金と同じ価値はないわけですが、ある狭い世界の中(そのデイサービスの施設内など)だけではお金と同等かそれ以上に価値のあるもの、という認識を利用者さんが持てれば、その試みはおそらくうまくいくだろうと思います。例えば、一キロ歩いても、100円ももらえませんが、500アソ(仮想通貨の単位を仮にアソとします)をある施設では貰えるとします。500アソは普通のお店で100円の価値もないかもしれませんが、逆に言えば、そのデイサービスセンターで1Km歩かなければ、500アソは手に入らないのです。普通のお店に行って一万円払って「これで500アソ札一枚売ってくれ」と頼んだところで、そんなのどこにも売っていないのです。それに、その決まったところでちゃんと労働したり、rehabilitationに励んだりした暁に初めてもらえる、価値あるものなのです。そういったことは評価されるべきで、それがそこでは形(=通貨)となって表現され、利用者さんもその通貨を集めようと必死になっていました。さて、せっかく稼いだお金は、楽しく使えなければあまり意味がありません。中には貯金が趣味で貯めるために稼いでいる方もおられましたが、基本使う楽しみを味わいたい人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。そこで、先ほど羅列したリハビリメニューの数々が必要となってくるようです。リハビリにも工夫があって基本的には参加するのにその通貨が必要で、参加した後にその倍の通貨が戻ってくるというシステムになっています。結局、rehabilitationもお金を払う喜びを得るためのものかと思いきやちゃっかり稼ぐ喜びの場も提供しているわけです。そりゃ、皆さん参加しますよね。僕の方からは、これ位でカジノ型デイの話は控えさせていただきますが、こういった形のデイは賛否両論が常に巻き起こります。両者の言っていることは、それぞれごもっともなことだと思います。まず、@心身ともに比較的軽度の、要支援レベルの方にだけふさわしい施設だということ、非常にうまい仕組みで経営効率を上げているのですが、その分、A職員が利用者さんにワンツーマンで付いておらず、見守りが不充分になりがちであるということ、B利用者さんがギャンブルしているその介護費の一部は税金であり、税金をそんなことに使っていいのか、などといった問題です。確かにそれも一理あるのですが、実際に見学に行ったらそういった批判的な考えが変わる人もいるのではないでしょうか。自分で今日の日課を決めれる喜び、自分が稼いだ通貨でを使う喜び、稼ぐ喜び、貯める喜びこれらを持っている人たちの表情の、なんと生き生きとしていることか!ただギャンブルしているから、そんな表情なんでしょ!とかではとても説明がつかない、一般社会でいえばパチンコ屋に出入りしている人と同じ表情というよりは、サラリーマンがまっとうに稼ぎ、それを使って皆で食事したり余暇を過ごしたりして充実している、そういったときに見せる表情に似ていると思います。また、今回の話をより詳しく聞きたいと希望する人が多ければ、今回参加した人の中から誰かが多職種くらいで発表してくれることでしょう。ご要望の方は包括さんにでもお伝えください。そういった方が多ければ、実現すると思いますよ。それでは今回はこの辺で。


2018年10月16日

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