宮原医院 心療内科
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宮原医院 心療内科所在地

〒519-2704
三重県度会郡大紀町
阿曽2270

電話:0598-86-3555
Fax:0598-86-3505

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水曜・木曜・日曜・祝日・土曜午後

診察時間
9:00-12:00/14:00-17:00
※1 土曜は9:00-12:00
※2 午前11時からの1時間と午後2時からの1時間は、初診の方専用の診療時間とさせて頂いております

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● 第23回 「自殺予防ワーキンググループついに解散」

ようやく暖冬の三重にも雪が降る日が増え、朝の通勤時には氷点下です。寒い中いかがお過ごしでしょうか、副院長の宮原です。遅れましたが新年明けましておめでとうございます。今年も数少ない知識の中でなるべく新しいものをご披露していこうと思います。
三重県の自殺率はそう高いものではなく、むしろかなり成績は上位にあります。特別三重だけ景気がいいわけではなく、一次産業衰退の中、山と海中心のこの県の自殺率が低いというのは、県民皆様の努力の結果だと思っています。とりわけ、自殺、うつ啓発活動、地域の医療機関を含めたネットワークの整備、市民、町村民のマンパワーを活用した見守り、気づき活動など多くの人が多くの分野で活躍された賜物と思います。僕は当初伊勢保健所のそういった事業に参加しており、その縁で三重県自殺予防推進協議会のメンバーにもなり、その集まりだけでは話が進まないというので同ワーキンググループというのを作ることになったのですが、そこにも入っており、いろいろな体験をさせて頂きました。忙しすぎるので数年で自殺予防推進協議会は抜けさせてもらい、実務的なこと(ワーキンググループで)をさせて貰っていたのですが、今年度でワーキンググループも解散となる運びとなり、お役御免となったわけです。ここまで関わって思ったことは、三重県は結構自殺予防に対しては頑張っているなということ、北と南では経済状況、人口構成、自殺の背景などに大きな違いがあり、その場その場での現状を踏まえた活動が求められるということ(三重は南北に長いんです)、私たち医師同士のネットワークが他の人たちのネットワークに比べて遅れているということ、モデル地区を作り、検診レベルからの早期発見も目指しましたが、僕のような認知症専門医からみますと、せっかくレビー小体型認知症の世界的な権威の先生の生まれ育った県で、高齢者対象にするのであれば、認知症がらみのスクリーニングもすればいいのにもったいないなあ(レビーはうつ状態の方が多く、うつ病と鑑別が難しいので、いっそのこと両方とも早期発見できる検診システムを作ればいいのに)、などです。小阪憲司先生ご生誕の県だからこその、レビーを意識した、新しい高齢者のうつ、認知症スクリーニングができれば、「さすが三重県、レビーに敏感だ」と時代の最先端を行けたのにと思ったのです。認知症の世界では今後しばらくは、全認知症の縮図ともいえる様々な症状を呈し、薬にも弱い方が多いこのレビー小体型認知症中心に回って行くことは明らかです。そういった時代背景にマッチしたシステムを作ることが偶然にもこの仕事にかかわることになった僕の使命と思っていろいろ発言させていただいたのですが、そういった点では僕の力不足で残念な結果でした。しかし、少しでもこういったプロジェクトにかかわる人たちに「うつ病と認知症の鑑別は難しく、うつ病と思えた人でも常に認知症の可能性を考えておかなくてはならないんだな」という程度の認識は植えつけられたと思います。今回はそれで満足することにします。いずれ近いうちに、うつ、認知症双方同時に一次、二次、三次予防をする方法を考えなくてはならない時期が来るはずです。それぞれ別個に対策をしていてはお金が無駄だし、スクリーニングで引っかからない人も多いはずですから。またその時までにいろいろな方法を考えたり、収集することにします。不完全燃焼ながら今回はこの辺で。

平成23年1月14日

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