●第16回「治験終了」

　皆さん、2月になってから急に寒くなりましたね。体調を崩さずに頑張っていますか。僕は元気です。この度、無事フェルラ酸の治験を終了しました。全国の各専門機関でアルツハイマー型認知症の患者さんを対象に同時に行った今回の治験結果が大体出揃ってきたようです。当院では12人の患者さんを予定して治験開始しましたが、結局、さまざまな理由で、2人脱落し、無事9人の方を9ヶ月フォローできました。2月3日に各医療機関がその結果を発表し、残念ながら僕は出れなかったのですが、後日当院にその詳細が送られてきたのを読んでみますと、まずまず予想通りの結果と言えそうです。日本で一番大きな認知症を扱う学会で発表するので詳細はここではいえませんが、アリセプトの効果が切れた後の患者さんでもその何割かの方には、認知障害の悪化を防ぐような効果、あるいは行動面においても有意な効果がありそうです。ご協力くださった患者さんには本当に感謝しております。またその御家族さんも面倒くさい記入、チェックを毎日していただかなければならず、ご苦労様でした。ちなみに治験に関係なく、15人以上の方が服用されておりますが、概ね副作用らしいものはなく、また、一定の効果を得ており、多くの方が続けております。より多くの方が服用されれば値段も下がり、発症予防、悪化予防また周辺症状対策に、より一般的に使いやすくなると思います。詳しくは学会で発表されてからまたお話しようと思います。それでは今回はこの辺で。