宮原医院 心療内科
 トップページお知らせ(コラム)>老年診療内科のミニ勉強会 第12回「自殺予防協議会に参加して」
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宮原医院 心療内科所在地

〒519-2704
三重県度会郡大紀町
阿曽2270

電話:0598-86-3555
Fax:0598-86-3505

休診日
水曜・木曜・日曜・祝日・土曜午後

診察時間
9:00-12:00/14:00-17:00
※1 土曜は9:00-12:00
※2 午前11時からの1時間と午後2時からの1時間は、初診の方専用の診療時間とさせて頂いております

お知らせ

● 老年心療内科のミニ勉強会
 第12回 「自殺予防協議会に参加して」

 ようやく涼しくなってきましたので、久しぶりの更新をします。8月としては普段の診療以外に2つのイベントに参加させていただきましたのでそのご報告を。

 1つは、11日に大紀町の老人施設、在介センターその他そういった方面に関係する仕事をされている方を対象に「認知症の理解と実際の介護について」というタイトルで講演をさせていただきました。平日夜間にもかかわらず、多くの方にご参加していただきました。大紀町と聞いていたのに、中には宮川村や、大台町の訪問看護の職員、さらには南伊勢町・度会広域連合の方まで見えたので、こちらもそれなりに張り切ったのですが、スライドが不備で使えず、急きょ口頭での講演となったこともあって、判りづらかった面もあろうかと思います。もしあの講演で判らないことがありましたら、メールででもご質問いただければ判る範囲で対応させていただきます。その後2つの老人施設で、講演の依頼がありました。10月いっぱいまでは、自立支援法の絡みなどで忙しくなりそうです。11月以降は今のところ予定も少ないので、そういったご依頼はその頃でよろしければ、お早めにご連絡をお願いいたします。10月には度会町・南伊勢町でも同じお話をする予定です。

 もう1つは三重県で自殺予防協議会がいよいよ立ち上がり、8月31日に第一回の会議が行われました。NHKが取材に来ており、夕方のテレビでも少し取り上げられましたのでご存知の方も多いと思います。ちらりとテレビに映っただけなのに、外来で、「先生、テレビでとったな」などと言われ、やはりマスコミの力はすごいなと思いました。医師会の理事、日本精神病院協会の三重支部の会長、県立総合医療センターの代表、三重県警の代表などそうそうたるメンバー18名(こころの健康センターなど事務方を除く)の中で、なぜ僕がいるのか不思議でしたが、三重県全体の自殺対策を行うメンバー18名中2名が人口1万人程度の大紀町のメンバーなのです(もう1人は中村保健婦です)。大紀町はそういった意味では県内では前向きにいろいろなことを行っていると評価されているようです。

 協議会の内容は、問題点を出し合うだけで、具体的なことは何も前進しませんでした。ビッグネームがそろっておりましたので、発言は極力控えておりましたが、ここからは参加してみて僕が思ったことを正直に書こうと思います。

 いろいろなことを感じたのですが、まず、おのおのの専門分野は仕方ないとして、一般的にメンバーが皆知っていなければならないことを参加した全てのメンバーが知っているのかということに疑問を感じました。その上で、どうしていくかを考えないと各分野の人たちがおのおの問題点を挙げても、方向性がまちまちで、だからこそ、各人がどういうことをすべきかということが見えてこず、質問タイムのような時間で終始してしまったのではないかと思います。皆が最低限のことを知っていれば、2時間でもかなり前進すると思うし、おのおのの方向を向いて論議し続ければ、どれだけ時間を割いても満足したものはできないのではないかと思います。ですから、ここはこころの健康センターや大学などが音頭をとって、例えば今までのほかの県,自治体の研究によりこういうことが判った、或いはこういったことをやっていく必要性があったということをまずメンバーの人に知ってもらい、その上で、例えば最も手っ取り早いのは、自殺予防の対策を行っているいろいろな県・施設の実績を検討した結果、こういったことをやるのがいいのではないかと、基本方針を決め、更にあれば、「三重県ではこういった傾向があって、そこは他県のものに加えこういった対策も必要」と加え、また、「あるところではこういったこともしているが三重県ではそれは難しい」ということがあればそれは削り、といった作業を繰り返し基本的な方向性を作り上げる。その上で今回参加された各分野の専門家にその協力を依頼する、といった進み方をして誰かがレールを引かなければいけないなと思いました。三重県は南北に長いのが特徴で、北と南に分けて統計を取れば、少なくともどちらかで三重県の特徴が現れると僕は思います。キーワードは中小企業の事業主、アルコールと、近所付き合いの深さ、工業地帯、ベットタウン、精神科病院・診療所への偏見、精神科医の偏在、医師間での連携のいずれかだと思います。

このホームページは大学の先生方や、保健所、こころの健康センターの方もご覧になっているとお聞きしてます。あえて提案しますが、もう少し誰かが引っ張らないとかなり時間がかかってしまうと思いますよ。協議会で話し合わなくても、誰に何ができるのか、何をすべきかはすでにある程度判っているはずです。

 あとは、県全体の話と平行して各保険所や、自治体でやることもいっぱいあります。そういったことはこの協議会で決まってから動いたのではどうやらかなり後手後手になりそうなので、可能ならいち早く動いたほうがいいでしょう。そういった動きは平行してされるのか、この協議会で何かが決まってからしか動けないのかも心配になってきました。あまり時間はかけられないのです。

 最後にこんなえらそうなことを書いておきながら、先週熊野市でのメンタルへルスの講演依頼を断ってしまいました。この場を借りてお詫びいたします。僕も少し忙しくなってまいりましたのでご容赦ください。それでは今回はこの辺で。

2006年9月1日

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